クロールのリカバリーとは、水中でかいた腕を空中から前へ戻す動作です。ストロークは、水中のかきと空中のリカバリーでひとつ。リカバリーが崩れると、体幹がぶれて泳ぎが不安定になります。
ポイントは、腕だけを無理に回すことではありません。水を押すフィニッシュから、そのまま腕を戻し始める「フィニッシュ&リカバリー」としてつなげます。元日本代表の視点で、3つの注意点と仕上げの練習の4ステップで解説します。
Step 1手を、背中より後ろへ出さない。
腕を戻し始めるとき、手が背中より後ろ側へ振られないようにします。ローリングしながら水をかくと、その回転に引っ張られ、手は自分が思う以上に後ろへ流れやすくなるからです。
手が後ろへ振られると、泳ぎながら体がひっくり返りそうになります。本人にはわからないほど小さな動きでも、体幹がぶれて泳ぎの安定性が失われます。水を押し終えた手は後方へ回さず、体の横から前へ戻してください。

Step 2腕が通る間も、体は横向きに保つ。
ここで説明するのは、キャッチアップ気味のクロールです。腕を前へ戻している途中で、体まで下向きへローリングさせないようにします。体は横向きのサイドキープを保ち、その上を腕だけが通っていく形です。
横向きを保てないと、戻している手が落ち、泳ぎが平面的に潰れて見えます。反対に、体の横向きを保てると、前や横から見たときに腕の高さが出ます。大きな泳ぎに見える理由も、このリカバリー中の姿勢にあります。

Step 3押し終えた手を、自然な向きへ戻す。
水を押し切ったところで、手のひらを不自然に返したまま固定しないことも大切です。その形から腕を上げようとすると手を返しづらく、力任せに戻す動きになり、肩を痛めやすくなります。
フィニッシュでは、水を外へ払う動きからリカバリーへそのまま移ります。押す動作と腕を上げる動作を完全に分けず、押しながら戻し始める感覚です。押し終えたとき、手が自然な向きに収まっているかを確認してください。

Step 4片手クロールで、一連の動きをつなぐ。
3つの注意点を確認したら、片手クロールで一連の動きをつなぎます。
- 腕を縦方向へかく動きに、ローリングを合わせる
- 横方向の動きを加え、最後は水を外へ払う
- フィニッシュから、そのままリカバリーへ移る
- 手を背中より後ろへ出さず、体の横向きを保って腕を前へ戻す
- 入水してグライドしたら、反対の手が通る間を一拍待ち、もう一度かく
リカバリーでは、体が開いている角度と上腕の角度をおおよそそろえます。体の傾きの延長線上に上腕が来る形を目安にしてください。
腕を戻したあとの入水とグライドは、次のストロークへつなぐ別の技術です。「クロールの入水とグライド」で、指の向きと体重移動を解説しています。
Point片手クロールで、リカバリーの3つの注意点を確認する。
- 手を、背中より後ろへ振らない
- 腕を戻す間も、体は横向きに保つ
- 押し終えた手を、力任せに返さない
フィニッシュからリカバリーまでを、ひと続きの動作としてつなげてください。
体験レッスンで相談この記事の内容は、動画でも解説しています。
▶ 動画で見る: クロールの正しいリカバリー(腕の戻し方)


