クイックターンが回れないのは、泳力だけの問題ではありません。水中ででんぐり返しのように体を動かし、自分がどの向きにいるかを把握する必要があるためです。頭を下にする怖さもあり、慣れるまでには時間がかかります。
練習を始める前に、鼻から息を吐けることを確認してください。回転で気持ち悪くなりそうなら、その前に練習を切り上げます。元水泳日本代表の視点で、補助ありの一回転から壁を蹴るまでを6ステップで解説します。
Step 1ビート板2枚で、一回転する。
ビート板を2枚、手のひらに乗せて持ちます。バタ足で進みながら、手をバンザイの位置から気をつけの姿勢まで下ろします。キックを止め、顎を引いて頭を下げ、おへそか下腹部を見るつもりで丸まって一回転します。
手を下げながら回ろうとせず、先に気をつけの姿勢をつくることがポイントです。怖くて途中で止めず、「ぐるん」と一気に回り切ります。
Step 2加速と小さく丸まる形を足す。
Step 1と同じくビート板2枚を使い、回る前にドルフィンキックを1回打ちます。回転に入ったら、ビート板を下方向へ押さえます。
さらに、太ももが胸につくくらいを目安に小さく丸まります。ドルフィンキックとビート板を押さえる動作で回転に勢いをつけ、小さく丸まって回りやすい形をつくります。自転車と同じで、勢いがある方が姿勢は安定しやすくなります。

Step 3補助を小さくして、補助なしを目指す。
ビート板2枚で回れるようになったら、小さなビート板やプルブイへ替え、補助の抵抗を少しずつ軽くします。最終的な目標は、補助なしで一回転できることです。
補助がなくなると、体を回すためのコントロールが必要になります。すぐにできなくても、同じ練習を繰り返して慣れていきます。
Step 4補助ありで、壁に足をつける。
ビート板を持ってキックで進み、ビート板を後ろへ下げて伸びます。回転して壁に足をつけたら、そこで終わりにします。
このステップで覚えるのは、どの距離から回り始めると壁に足をつけられるかという距離感です。最初は壁やプール底のタイルを見て確かめても構いません。ただし、回るときは壁を見たままではなく、顎を引き、首から背中を丸めて回ります。
回り終えて足をついたときは、両手が頭の横にあり、指先が進行方向を向くフォークのような形を確認します。補助なしになったときに手が迷子にならないよう、この形を覚えておきます。

Step 5補助なしで、加速して壁に足をつける。
補助なしで、バタ足で近づきます。両手で水をかくダブルアームプルで加速し、キックを止めて少し伸びたら、回転して壁に足をつけます。
手を後ろへ下げるだけではなく、ダブルアームプルで水をかき、「ギューン」と加速することが大切です。さらにドルフィンキック、回転中に手で押す動作までつなげられると、3段階で加速できます。
回転中に手をぐるぐる動かすと、壁を蹴った後にストリームラインを組みにくくなります。Step 4で覚えた、両手を頭の横へ置くフォークのような形を保ちます。
Step 6泳ぎから入り、触る・確認する・押す。
泳いで壁へ近づいたら、ダブルアームプルをします。キックを止めて少し伸び、回りやすい位置でターンして壁に足をつけます。
最初は、回転の途中で勢いよく壁を蹴ろうとしなくて構いません。足で壁に触れたら姿勢を確認し、それから壁を押します。変な姿勢のまま蹴ると、あちこち違う方向へ進みやすくなります。

壁との距離や足をつく位置を練習してもつかみにくい方は、パーソナルレッスンでターンの動きを見直すこともできます。
Pointクイックターンは、回転を分けて練習する。
- 鼻から息を吐ける状態で、気持ち悪くなる前に練習を終える
- ビート板2枚の一回転から始め、補助を少しずつ減らす
- 壁際では、距離感と足をついたときの手の位置を覚える
- 泳ぎからのターンは、壁に触る、姿勢を確認する、押すの順で行う
次の練習では、まずStep 1からStep 3を繰り返し、補助なしで一回転できることを目指してください。
この記事の内容は、2本の動画で解説しています。


